弁護士小澤亜季子(弁護士による退職代行・内定辞退代行・役員辞任代行サービス)

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正しい働き方のススメ(5)(さよならブラック企業コラム)~パワハラについて

「さよならブラック企業」(ヤングキング)の監修にあたり、コラムを書かせていただくことになりました。

このブログでもご紹介しますので、よろしければ読んでみてください。

 

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さよならブラック企業第9話

皆さん、こんにちは。今回は、2020年6月1日に施行されたパワハラ防止法(改正労働施策総合推進法)等、職場におけるパワハラについてご説明します。

 

1 「職場におけるパワハラ」の定義

「職場におけるパワハラ」とは、次の①~③の要素を全て満たすものをいいます。
①優先的な関係を背景とした言動であって
②業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより
③労働者の就業環境が害されるもの

①「優先的な関係を背景とした言動」には、上司から部下への言動だけでなく、その人の協力がないと業務を円滑に進められないような経験豊富な同僚・部下からの言動も含まれます。

 

2 パワハラの6類型

パワハラの代表的な6類型は以下の通りです。
①身体的な攻撃(暴行・傷害)
②精神的な攻撃(脅迫・名誉棄損・侮辱・ひどい暴言)
③人間関係からの切り離し(隔離・仲間外し・無視)
④過大な要求(業務上明らかに不要なことや遂行不可能なことの強制・仕事の妨害)
⑤過小な要求(業務上の合理性なく能力や経験とかけ離れた程度の低い仕事を命じることや仕事を与えないこと)
⑥個への侵害(私的なことに過度に立ち入ること)

例えば、②「精神的な攻撃」でいえば、他の労働者の面前における大声での威圧的な叱責を繰り返し行うとか、相手の能力を否定し、罵倒するような内容の電子メールをその人を含む複数の労働者宛てに送信するといった場合は、パワハラに該当すると考えられます。
他方、遅刻など社会的ルールを欠いた言動が見られ、再三注意してもそれが改善されない労働者に対して一定程度強く注意をする場合は、パワハラに該当しないと考えられます。

また、④「過大な要求」でいえば、新卒採用者に対し、必要な教育を行わないまま到底対応できないレベルの業績目標を課し、達成できなかったことに対し厳しく叱責する場合には、パワハラに該当すると考えられます。
他方、労働者を育成するために現状よりも少し高いレベルの業務を任せる場合には、パワハラに該当しないと考えられます。

 

3 会社の義務

会社は職場におけるパワハラ防止のために以下の措置を講じなければなりません(中小事業主は2022年4月1日から義務化されます(それまでは努力義務)。)
①会社の方針等の明確化及びその周知・啓発
②相談に応じ、適切に対応するために必要な体制の整備
③職場におけるパワハラに係る事後の迅速かつ適切な対応
④その他相談者・行為者等のプライバシー保護、相談者の不利益取扱防止

 

4 パワハラによる法的責任

①「会社」の責任
・民事責任:被害者から使用者責任や職場環境配慮義務違反等による損害賠償を請求される可能性があります。
厚生労働大臣による、助言、指導または勧告、勧告に従わない場合の公表の可能性があります。

②「加害者個人」の責任
・民事責任:被害者から損害賠償請求等をされる可能性があります。
・刑事責任:暴行罪・傷害罪、名誉毀損罪・侮辱罪などに問われる可能性があります。
・懲戒処分:会社内で懲戒処分の対象となり、懲戒解雇、降格、減給その他不利益処分を受ける可能性があります。

 

パワハラ慰謝料請求をする場合、証拠が非常に重要です。
必要に応じて録音・録画を行ったり、日記に詳細に記録する等し、パワハラ言動の証拠化をしましょう。

 

 

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